診療Q&A

皆様からよく聞かれる質問をまとめました。
ペインクリニックに関する知識と名古屋栄ペインクリニックにおける診療についてさらにご理解をいただけるよう、今後も内容を更新してまいります。ぜひ参考にしてください。

Q01 「ペインクリニック」って何ですか?

英語で「ペイン(PAIN)」は痛み、「クリニック(CLINIC)」は診療を意味し、「ペインクリニック」とは痛みを主とする病気を診断、治療する診療科ということになります。腰痛、首の痛み、手足の痛み・しびれ、肩・股・膝関節の痛み、頭痛など日常生活のなかでよく見られる痛みを始め、帯状疱疹・帯状疱疹後の痛み、三叉神経痛など顔面の痛み、がんの痛みなど、さまざまな痛みを対象に診療を行います。

主な病気と症状一覧

ペインクリニックとは

Q02 痛み以外にどのような症状・病気を診療してもらえるのですか?

診断・治療の手法として中心となるのは神経ブロックです。そこで、神経ブロックが有効に活用できる病態であれば、痛みとは関係のない病気でも治療の対象となります。肩こり、手足のしびれ、顔面神経まひ、花粉症、顔面けいれん・眼瞼けいれん、痙性斜頚、手掌多汗症・腋下多汗症、突発性難聴、糖尿病性動脈硬化症・バージャー病・閉塞性動脈硬化症・レイノー病やその他の膠原病による血流障害など、さまざまな症状・病気が対象となります。

主な病気と症状一覧

痛み以外の病気と症状

Q03 「神経ブロック」って何ですか?

神経ブロックとは、神経の機能を遮断することにより対象となる病態の診断・治療を行なう診療法です。 診断においては、最終的に障害を受けている神経を同定することにより効果的な治療法を決定します。 治療においては、神経の異常な興奮を抑える、病変部の血流を促進させ障害を受けた組織の回復を図る、筋肉の緊張やケイレンを抑える、炎症を鎮める薬を同時に注入して炎症を起こした神経を治すなど、さまざまな効果があります。

Q04 治療は全て神経ブロックによるものですか?

神経ブロック以外にも症状に適した治療法を提案いたします。当院では神経ブロック療法を中心に、薬物療法、関節・滑液包・腱鞘・筋膜への注射療法、硬膜外神経形成術(Raczカテーテル)、椎間板への注射・除圧療法、ボツリヌストキシン注射療法(商品名ボトックス)、理学療法(キセノン光・温熱・低周波)、自己運動療法の指導などを行なっています。

治療の概要

Q05 神経ブロックに使う薬は何ですか?

基本的には、日常歯医者さんや外科の局所麻酔で一般的に使われているものと同じ局所麻酔薬を使用し、神経機能は一時的に遮断されますが、必ず元に戻り安全です。そして、この一時的な遮断効果を持続的な治療効果や治癒に結びつけていくのが神経ブロック療法の重要なメリットと言えるでしょう。
さらに神経が炎症を伴っている場合には、治療薬であるステロイドを同時に注入し直接的に炎症を抑え、神経の回復を促進させます。

Q06 1回の治療で、どれくらいの期間効果は持続しますか?

局所麻酔薬を用いた神経ブロックの効果は、初期の段階では数時間〜数日しかもたない場合もありますが、回を重ねていくことにより持続期間が長くなり症状も軽くなっていきます。高周波熱凝固法・パルス波高周波法や高濃度アルコール注入による神経ブロックは、数ヶ月〜1、2年の長期にわたって痛みを取り除くことが可能です。
また、ボツリヌストキシン(商品名ボトックス)注射による顔面けいれん、眼瞼けいれん、痙性斜頚などにおける筋肉のけいれん遮断の効果や腋窩多汗症における発汗遮断の効果は、3〜4ヶ月、場合によっては半年ほど持続します。

Q07 治療は痛くないですか?

神経ブロックをはじめ治療の前には十分な局所麻酔により痛くないようにしておきますので安心です。
また局所麻酔、治療用の針は一般に採血や点滴に用いられる針に比べて細いものを使用しています。
さらに、X線透視を見ながら針の神経への当て方や関節内への刺入経路を調整したり、超音波(エコー)のリアルタイム画像を駆使して針と神経・血管、針と関節・滑液包・腱鞘などの組織を同時に判別して治療するなど、できるだけ痛みを引き起こさせない工夫をしています。

痛くない治療をめざして

Q08 神経ブロックにより体の他の部分への影響はありませんか?

神経ブロックは障害を受けている部分への局所的な治療法です。
一方、飲み薬や静脈注射・筋肉注射は全身の血液に吸収され、そのうちの一部が患部に届いて働きかけるものです。
注入した薬を目的の神経にだけ直接かつ効率よく作用させる神経ブロックは、特殊な治療効果があり全身への副作用はより少ないと言えるでしょう。

Q09 治療は危険ではないですか?

神経ブロックをはじめその他の治療も例外ではなく、使用される薬剤による副作用や、治療手技にともなう合併症が起こる可能性がゼロではありません。
当院ではX線透視や超音波(エコー)によるデジタル画像を用いた精密で安全な治療を提供するとともに監視装置の装着、感染対策の徹底、看護師のきめ細かい看護により、安心して治療を受けていただける環境を整えています。

治療における安全対策

Q10 保険診療で受けられますか?

当院で行われるほとんどの神経ブロックやその他の診断・治療は健康保険が適用されます。保険診療、自費診療も含め治療に関しては、「治療の概要」をご覧ください。また、診療にかかるおおよその費用について事前にお知りになりたい方はお気軽に医師または受付にお問い合わせください。

治療の概要

Q11 治療は高齢者でも受けられますか?

ご高齢の方が治療を受けられるにあたって、「高齢のために、治療を断られるのではないか」「年齢によって受けられない治療があるのではないか」「治療は安全か」「痛いうえに治療でさらに痛い思いをしないか」と心配されていませんか?
当院では安全対策の徹底を図るとともに、治療に伴う痛みをできるだけ軽減するように工夫し、さらに一人ひとりの体調を考慮したオーダーメイドの治療法を選択することによりご高齢の方にも安心して治療を受けられるよう努めています。70〜80歳代の方はもちろん、なかには90歳代の方も来院されています。痛みが今以上に強くなる前に、また運動機能を低下させないために、できるだけ早く診断を受けていただきどのような対策が必要なのか一緒に考えましょう。

高齢者のペインクリニック療法

Q12 帯状疱疹にかかったら、いつペインクリニックを受診すればいいですか?

帯状疱疹にかかったら、ただちに医療機関で抗ウイルス薬の治療を受けてください。次に重要なポイントは、神経が回復しきれず不快な痛みが残ってしまう「帯状疱疹後神経痛(たいじょうほうしんごしんけいつう)」に移行させないことです。この移行する可能性が高いと判断した場合は、できるだけ早い時期からの神経ブロック療法が有効です。

Q13 神経ブロックは花粉症にも効果があるって本当ですか?

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)に対して星状神経節ブロックが有効な場合があります。長年薬による調整に苦しんでいる方や、減感作療法、鼻粘膜へのレーザー照射を望まれない方には、試してみてもよい治療法の一つです。

診療Q&A

ピックアップ

  • 高齢者のペインクリニック
  • 痛み以外の病気と症状
  • 診療Q&A

このページの先頭へ